寅間心閑の肴的音楽評『No.044 真空パック』&大畑ゆかり原案 寅間心閑著 新連載小説『もうすぐ幕が開く』(第04回)をアップしましたぁ。音楽評ではローリング・ストーンズの、ちょい前の新譜『ブルー&ロンサム』を取り上げておられます。全編ブルースのカバー曲です。寅間さんは『四十年前の名盤『ラヴ・ユー・ライヴ』(’77)C面の、ブルース・カヴァー四連発に較べれば無論落ち着いている』と書いておられますが、まったくそうですね。当時はライブだからブルース・カヴァー四連発が許された面がある。しかし今回はスタジオ録音です。
2000年頃からかな、何か垣根が崩れてきたようなところがあって、それは音楽業界で一番敏感に感じ取れたかもしれません。ポール・マッカートニー大先生は臆面もなく一人ビートルズをやるようになりましたし、ストーンズはバンドのルーツであるブルースを前面に押し出すようになった。石川が見たライブで感慨深かったのはボズ・スキャッグスですね。元々ブルース・シンガーで売れなくてAORに行きましたが、2000年頃のライブでは楽しそうにブルースを演奏していました。なんでもアリの時代になったのが2000年頃からだと思います。
新しさに対する幻想がなくなったのが2000年紀の特徴だと思います。無理して新しいことをしなくていい、探さなくていい、過去のコンテンツで素晴らしいものを再現し、その中から本当に必要なものを見つけ出し、それをベースに今までとは違う新しさを探していこうという指向が創作者の間に芽生えた。純文学系の文学の世界では市民権を得ていませんが、サブカルやラノベの世界では、一次創作、二次創作という言い方をしますね。そういうカテゴリーが生まれていること自体が創作のオリジナリティの質的変化です。
さて、『もうすぐ幕が開く』では、主人公のおチビちゃんが劇団四季3年目に突入です。ダンス、歌、セリフと、四季では演劇に必要な要素全てを叩き込まれるのです。宝塚や四季の俳優さんが、映画やテレビで使いやすい理由がわかりますね。なんでもできちゃうのです。ただ浅利慶太先生のダメ取りを任されたおチビちゃんには、なんやかんやと人間関係の面倒くささが襲いかかってきます。どの世界でも同じですねぇ。
■ 大畑ゆかり原案 寅間心閑著 連載小説『もうすぐ幕が開く』(第04回)縦書版 ■
■ 大畑ゆかり原案 寅間心閑著 連載小説『もうすぐ幕が開く』(第04回)横書版 ■
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