鶴山裕司さんの連載エセー『言葉と骨董』No.056【新発見】『柏木貨一郎筆 気楽坊像』(上中下編)をアップしましたぁ。明治になって初めての正倉院調査を行い、恐らくですが、正倉院御物の流出に関わった柏木貨一郎が描いた『気楽坊像』を巡るエッセイです。柏木が二世気楽坊を名乗り、その戒名にも気楽坊が入っているのは知られていましたが、今回の発見によってその経緯が明確になりました。ぬぅ、ホントに新発見の資料ですな。スゴイ。
鶴山さんが普通の骨董好きではないことはわかっていましたが、今回のエッセイでそれがよりハッキリしたように思います。単なる古い物好きで、自分のコレクションを自慢したい人ぢゃない。物を題材にして文化を読む人です。鶴山さんには金魚屋から『夏目漱石論-現代文学の創出』を刊行していただきましたが、骨董であれ文学テキストであれ、その背景や本質を徹底して読む姿勢は一貫しています。正確にその本質を読み解く。単純ですが、批評としてはそれが一番強い説得力を持ちます。
それにしても鶴山さんは、柏木さんの『気楽坊像』の軸などをどっから探し出して来るんでしょうね。探してもなかなか見つからないぞぉ。謎です。鶴山さん、柏木さんと似たところがありますね。どこからともなく面白い骨董を探し出して来ます。だから柏木さんに強い興味が湧くんでしょうね。
柏木さんについては続編があるようなので、是非また書いていただきたいと思います。今年の10月から、例年のように奈良博ではなく、特例で東京国立博物館で御即位記念特別展『正倉院の世界-皇室がまもり伝えた美-』が開催されます。そのタイミングに合わせて是非続編を書いてくださいませっ。
■ 鶴山裕司 連載エセー『言葉と骨董』No.056【新発見】『柏木貨一郎筆 気楽坊像』(上編) ■
■ 鶴山裕司 連載エセー『言葉と骨董』No.056【新発見】『柏木貨一郎筆 気楽坊像』(中編) ■
■ 鶴山裕司 連載エセー『言葉と骨董』No.056【新発見】『柏木貨一郎筆 気楽坊像』(下編) ■
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