Interview of gold fishes 第22回 野村万作インタビュー『狂言はまず美しく、そして面白く、可笑しく』(下編)をアップしましたぁ。インタビュアーはラモーナ・ツァラヌさんと鶴山裕司さんです。今回は『風姿花伝』や『三番叟』についてお話が進んでゆきます。
『三番叟』は能の『翁』に続いて舞われる曲で、お正月などのおめでたい時に上演されます。『翁』は能のシテが、『三番叟』は狂言役者が舞います。特別な神事の舞だと言われます。万作先生は『舞は多くの場合、その役柄としての舞ということになります。だけど『三番叟』には何もそういった役どころがないんです。だから素、わたしなら万作という人間が舞えばいいわけです。神に祈るでも、天下泰平、五穀豊穣を祈る舞いでもいい。わたしのそういった祈念を舞うんです。だから『三番叟』に扮するということは、考えられないです。扮するということは演じるということですから、演じるものではない。自分が舞ってただ動く』と語っておられます。
『翁』も『三番叟』も、室町初期の能楽の成立よりも古い芸能(舞)だと考えられています。役者が神に憑依するというか、神を降ろして舞うような曲です。そういった古い古い伝統が能や狂言には脈々と生きている。またそれは禅と同様に、基本的には不立文字で肉体を通した精神として受け継がれています。
世阿弥の『十六部集』は明治四十二年(一九〇九年)に吉田東伍が刊行するまでその全貌がわかっていなかったのですが、書物として刊行されても能や狂言役者はまったく驚かなかったという話が伝わっています。彼らは芸の伝承を通じで世阿弥の教えの本質を把握していたわけです。
なお野村万作先生とご子息の野村萬斎さんの公演日程は、以下の『万作の会』のHPで確認できます。
http://www.mansaku.co.jp/index.html
今年も精力的に、全国規模で舞台を行っておられます。なお野村萬斎さん演出・主演の舞台『子午線の祀り』(世田谷パブリックシアター)が、第25回読売演劇大賞・最優秀作品賞を受賞なさいました。おめでとうございます。『子午線の祀り』は木下順二作で1979年に宇野重吉さんの総合演出で初演されました。野村万作さんは義経役でした。こういった形でも伝統は受け継がれてゆくわけです。
■ Interview of gold fishes 第22回 野村万作インタビュー『狂言はまず美しく、そして面白く、可笑しく』(下編) 縦書版 ■
■ Interview of gold fishes 第22回 野村万作インタビュー『狂言はまず美しく、そして面白く、可笑しく』(下編) 横書版 ■
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