高嶋秋穂さんの詩誌時評『歌誌』『No.037 特集「青春と短歌」(角川短歌 2017年03月号)』をアップしましたぁ。高嶋さんはまず、青春短歌と夭折者の短歌を区して考えておられます。青春短歌は長生きした歌人の20代から30代くらいの作品で、夭折短歌は青春時代しかなかった歌人の作品ということになります。
もし夭折者の歌が夭折したという事実ゆえに感動を呼ぶとすればそれはある程度長生きしている作家にとってはちょっとした絶望です。夭折の不幸が短歌を輝かせるならそれはどんなに努力しても届かない特権的表現となってしまう。歌人なら誰もが啄木のように人口に膾炙する歌を残したいでしょうね。それが夭折と引き換えならすべての努力はムダということになりかねません。
高嶋秋穂
これはけっこうな難問ですね。なかなか一定の答えは導き出しにくいですが、一度はじっくり考えてみる価値はあると思います。
ただま、短歌に限りませんは詩は一瞬の稲妻のようなものです。歌人、俳人、詩人でも、後世に口誦されるような作品一作が書ければ十分という面があります。もちろん難しい。乱暴な言い方をすれば、夭折者のビギナーズラックを除けば、年を取るほど難しくなってゆく面があります。
ただ夭折者を天才だなんだと持ち上げて、判断中止状態に陥ることができるのは読者の特権です。創作者はそうはいかない。年を取るほど鮮烈な作品が書けなくなるのはなぜか、あるいは年を取った創作者の凄味とはなにかを考え実行すべきでしょうね。
創作者の原動力は、なんでもかんでもインスピレーション、つまり天から降ってくる啓示のようなものだと考えるのは、石川は甘いと思います。創作の内情は秘密でいいんです。考え抜いて試行錯誤して、あきれるほど単純で愚かしくて魅力的な作品を書くのが理想でしょうね。
インスピレーションをウリにしている詩人さんって胡散臭い。だって天から啓示を受けた特権的詩人ですよ~という情報を先に流しておいて、読者にそのラインで作品を読むよう誘導してるんですもの。インスピレーションなんかあてにしてたら日が暮れちゃいますよ~(爆)。
■ 高嶋秋穂 詩誌時評『歌誌』『No.037 特集「青春と短歌」(角川短歌 2017年03月号)』 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■