鶴山裕司さんの連載エセー『言葉と骨董』『第047回【祝!富山県美術館開館】『生命と美の物語 LIFE-楽園を求めて』展(下編)』をアップしましたぁ。富山県美術館開館記念展のレビュー、完結編です。今回は具象抽象系の画家を中心に取り上げておられます。
『長谷川利行、靉光、松本竣介、寺田政明、麻生三郎、熊谷守一ら池袋モンパルナスの画家たち――言い換えれば具象抽象の画家たちの作品の評価が上がったのは、この三十年ほどでシュルレアリスムやフォービズムといったイズムの魔力が溶け、彼らの絵本来の魅力を感受できるようになったからである。またそれはどこかで九〇年代以降のバルテュスやベーコン、ジャコメッティらの高い評価とつながっている』、ということです。
ただ現代アートの原点にはデュシャンがいるわけで、その功績について鶴山さんは『デュシャンはいつも別格だった。一つ目の理由は彼が〝初めての人〟だからである。アートに限らないが、どの芸術ジャンルでも新たなことを始め、それが数十年、時には一世紀以上に渡ってあるジャンルの基礎となった作家がいる。デュシャンはそういう作家である』と書いておられます。
また『二つ目の理由はデュシャン芸術の確信の強さである。デュシャンはダダイストである。第一次世界大戦の惨状を目の当たりにして、既存の美術制度を徹底的に破壊しようと決めた。少し乱暴な言い方をすれば彼は虚無主義者だ。(中略)シュルレアリストはアートの超現実によって悲惨な現実世界を変えようとしたわけだが、その道筋は正しい。しかし原点にはダダがある。その原点に留まり続ける者も必要だ。結果としてデュシャンだけが原点に留まり続けた。彼は原理主義者である』と批評しておられます。じっくりお楽しみください。
■ 鶴山裕司 連載エセー『言葉と骨董』『第047回【祝!富山県美術館開館】『生命と美の物語 LIFE-楽園を求めて』展(下編)』 ■
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