山本俊則さんの美術展時評『No.071 『大英自然史博物館』展』をアップしましたぁ。国立科学博物館で開催された、『大英自然史博物館』展のレビューです。まー世界中の動植物や化石が集まっておりますな。アメリカのスミソニアンや日本の国立科学博物館も頑張っていますが、歴史的重みでは大英自然史博物館にはかないません。なにせダーウィンの時代から続いているんですからね。
自然科学の研究成果によれば、地球上の生物は過去五回の大絶滅を経験している。その大絶滅を生き残ったわずかな種の子孫がわたしたちを含む今の生物ということだ。研究者の中には地球は六度目の大絶滅へと進んでいると考える者もいる。そうかもしれないし、もうそういったことは起こらないかもしれない。
ただ人間という種に限定すれば、一度始まった動きを止めることは誰にもできない。(中略)またわたしたちが、バラ色の進化という未来に懐疑的になっているのも確かである。人間の発展と膨張のサイクルを、どこかでバランスあるものにした方が良いと考え始めている。ただもしそんなことが可能だとしても、その原動力は科学を始めとする学問成果からしかもたらされないだろう。わたしたちは人間の学問的良き意志を信じるほかない。大英自然史博物館所蔵品の多くは今でももう骨董品だが、十九世紀から始まり未来へと続く学問の遺品でもある。
山本俊則
良くも悪くも、わたしたち人類の将来は、わたしたちが生み出す学問的成果にかかっているでしょうな。人類の発展って、進化というより膨張といった言葉の方がピンと来るかもしれません。膨張すれば必ず収縮する。考えさせられる展覧会です。
■ 山本俊則 美術展時評『No.071 『大英自然史博物館』展』 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■