鶴山裕司さんの演劇金魚『No.013 新宿梁山泊版『腰巻おぼろ 妖鯨篇』(上編)』をアップしましたぁ。2017年6月17日から26日まで、東京新宿の花園神社内の特設紫テントで上演された、新宿梁山泊さんの『腰巻おぼろ 妖鯨篇』の演劇評です。原作は唐十郎、演出は金守珍(キムスジン)、美術は宇野亞喜良さんが手がけておられます。
唐演劇の圧倒的新しさがピュアな形で認識できるようになったのは最近のことではないかと思う。それは六〇-七〇年代の政治の季節が去り、劇で表現された風俗が古びてなお、アングラ演劇の中で何が残ったのかという問いかけでもある。ほかのアングラ演劇と同様に、唐戯曲でも反体制、反新劇的要素は綺麗に失われてしまった。残ったのは唐戯曲の基本システムとでも呼ぶべき無意識の意識化である。そこにはまったく中心がない。もう少し正確に言うと、中心は常に移ろってゆく。この移動する中心が、ランダムに過去や現在の風俗を巻き込んで舞台上に展開されてゆく。しかしその根は常に地下で、無意識の領域でつながっているのだ。この唐戯曲の構造は中心がなく、無限の情報が絡み合い、ぶつかり合いながら、無数の中心を生成してゆくわたしたちの現代――つまりポスト・モダン世界に正確に対応している。
鶴山裕司
鶴山さんは唐戯曲に強い興味を示しておられますが、その理由は唐戯曲が現代的なポスト・モダニズム性を有しているからのようです。また優れた唐戯曲を見るには、今は新宿梁山泊さんが一番いいようです。演劇表は中編に続きます。
■ 鶴山裕司 演劇金魚 『No.013 新宿梁山泊版『腰巻おぼろ 妖鯨篇』(上編)』 ■
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■ 予測できない天災に備えておきませうね ■