山本俊則さんの美術展時評『No.070 特別展『茶の湯』(後編)』をアップしましたぁ。東博で開催された大茶の湯展時評後編です。山本さんは室町末から江戸初期にかけての茶道の流れを簡潔にまとめておられます。当たり前のように書いておられますが、斬新な視点満載です。
利休が自刃したのは天正十九年(一五九一年)、織部自刃は慶長二十年(一六一五年)である。利休が茶人として頭角を現してから数えても、約五十年弱で茶道はそのピークに達したことになる。短いようだがどの芸術ジャンルでも新たなムーブメントが勃興して頂点に達するのはそのくらいの期間だろう。だいたい人間の世代で三代で、ある文化はピークに達する。ただ茶道が現在も綿々と受け継がれているのは短歌や能や俳句と同様に、それが日本文化の原理に届いており、一度それが露わになって一定の形を与えられると、もはや動かし難い質のものだからである。わたしたちは古い茶道具を見ながらその原初の精神を確認しているのである。
(山本俊則)
茶道に限らず文学などの世界でも、ある文化潮流がピークに達するのは、50年くらいの期間で必要十分でしょうね。その後はゆるやかな衰退が始まり、にっちもさっちもいかなくなると、新たな文化潮流を求める動きが出始める。人間の人生の持ち時間が100年に満たな以上、このサイクルは当分変わりそうにありません。今は明らかに〝新たな文化潮流を求め〟て動き始めた時期です。
■ 山本俊則 美術展時評『No.070 特別展『茶の湯』(後編)』 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第0回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
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