大野ロベルトさんの連載映画評論『七色幻燈』『第十回 溶ける硝子と心』をアップしましたぁ。映画の中のガラスと雨について書いておられます。雨もガラスも映画の小道具としては重要ですねぇ。この取り合わせて印象に残る映画のシーンって、けっこう多いのではないかと思います。
硝子というのは私たちにとって最も身近な素材の一つではあるが、その性質については意外なほどわかっていないことも多い。例えば硝子が液体なのか固体なのかという問題は、分子の配列などが明らかになってきたことにより議論の進展は見られるものの、完全な解決には至っていない。実際、技術が未熟であった時代に作られた窓硝子は時間の経過とともに重力によって「流れて」しまい、厚さが不均衡になるので、風が吹くと隙間から奇妙な音が聞えたり、嵐の晩には雨が降りこんだりして、いかにもゴシック風の不気味さを演出してくれるのである。私たちを守るのだか閉じ込めるのだか、頑丈なのだか脆いのだかもわからない硝子という物質が、液体なのか固体なのかもはっきりしない曖昧な物質であるということは、なかなか示唆に富んでいるように思う。
(大野ロベルト)
なるほど。勉強になるなー。
■ 大野ロベルト 連載映画評論 『七色幻燈』『第十回 溶ける硝子と心』 ■
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