金井純さんの連載BOOKレビュー 『親御さんのための読書講座・中学受験篇 No.021 トム・ソーヤーの冒険』 をアップしましたぁ。『トム・ソーヤーの冒険』、不肖・石川も読みましたぞ。子供の頃ではなく、だいぶ大人になってから読んだのであります。現代的な書き方とはだいぶ違います。作者のマーク・トウェインの意見 (人生観とか) がじゃんじゃん文中に書かれている。今の基準から言うと、ずいぶんゆるい書き方であります。
でも 『トム・ソーヤーの冒険』 は面白い。さーっと最後まで読んでしまうんですね。こうい作品を読んでいると、現代小説ってそうとうに画一化された書き方なんだなぁと感じるところがあります。確かにトム・ソーヤーは悪ガキで、彼の育ての親のオバサンは、もう非の打ち所のないお人好しなんです。でもそのステレオタイプが確信的なんだな。
現代なら悪ガキを描いても、どっかで筆が緩む。もちろんトムだって極悪非道ってわけじゃないんだけど、子供なりのワルの筋が通っている。それをお人好しのオバサンが、大人なりの筋の通し方で受けとめる。マーク・トウェイン文学が読み継がれているのは、彼が子供の論理 (ムチャクチャですけど) を深く理解していた作家だからではないかと思います。
そんで金井さんは 『アメリカ文化は、その一部の母体であるはずのヨーロッパ文化よりも、あるいは未開の地の原住民の文化よりも、理解しづらいところがある。・・・アメリカそのものは 「トム・ソーヤーの冒険」 のように消化できない』 と書いておられますが、これもその通り。アメリカの物質文明は、すぐに何かわかったような気にさせてくれますが、この新興国の本質はつかみにくいですよぉ (笑)。
■ 金井純 連載BOOKレビュー 『親御さんのための読書講座・中学受験篇 No.021 トム・ソーヤーの冒険』 ■