山本俊則さんの美術展時評『No.073 『特別展 春日大社 千年の至宝』展』をアップしましたぁ。東博で開催された春日大社展の批評です。春日大社は神護景雲二年(768年)創建と伝えられますから、1250年近い歴史を持っています。たくさんの社宝を所蔵しているわけですが、山本さんは『見にいく前からけっこう難しい展覧会だろうなぁという予感はあった。実際に見てやはりこの展覧会は難しいと思った』と書いておられます。

 

 春日大社は「平安の正倉院」と呼ばれることもあるが、本家の正倉院とは質が違う。正倉院御物には目録があり、奉納された時期もおおよその伝来もわかる。しかし春日大社の神宝は平安時代だけでも二百年近い間に奉納されたものである。宝物の奉納時期や経緯などの記録もほとんどない。また神宝の種類は様々だ。(中略)姿形のない神様は地上では様々な形を取ることができる。それが古神宝の多様さになって表れている。春日大社の神宝は、物だけで完結した価値を導き出すことができないのである。

(山本俊則)

 

山本さんはまた、『春日大社の神宝は、いわゆる〝春日大社学〟を前提として一つ一つ見ていかないとその本当の意義がわからないのである。(中略)またその先にはさらに厄介な神道がある。神道は宗教理論としては空虚な求心点という性格だが、その周囲を膨大な神宝が衛星のように取り巻いている。言うまでもなくそれは日本の天皇制と近似した構造である。その意味で春日大社神宝は日本文化の本質につながっている』とも批評しておられます。物を見ただけではその本当の価値がわからないわけで、確かに〝この展覧会は難しい〟質のものだったかもしれません。

 

 

山本俊則 美術展時評『No.073 『特別展 春日大社 千年の至宝』展』 ■

 

 

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