山本俊則さんの美術展時評『No.048 没後180年 田能村竹田展』をアップしましたぁ。山本さんは、『田能村竹田(たのむらちくでん)は豊後国(現・大分県)に生まれた南画家(文人画家)である。安永六年(一七七七年)に生まれ天保六年(一八三五年)に五十九歳(数え年)で没した。文化・文政から天保時代にかけては江戸文化の爛熟期である。(中略)竹田の親友に頼山陽がおり、山陽の『日本外史』は尊皇攘夷運動に大きな影響を与えた。竹田はまた大坂の大塩平八郎とも交流があった。天保八年(一八三七年)の大塩の乱は、幕藩体制崩壊の序章とも呼べる出来事だった。竹田は江戸文化最後の興隆期であり、変化の序章の時期でもある時代に活動した作家である』と紹介しておられます。

 

江戸後期の文化・文政期から文人画の全盛期が始まるのですが、たいていは山水画でその善し悪しがなかなかわかりにくい。今はさすがに減りましたが、ちょっと前までは家に床の間があって、山水画が掛けられていたものです。現代っ子でも日本人なら山水画を子供の頃からちょくちょく見ているはずで、その類型化された絵の中から優れた作品を選べと言われても、判断に迷ってしまふでせうね。

 

それについて山本さんは、『現代人の目には南画の良さが伝わりにくい。竹田の『柳閣暁粧図』にしても、パッと見ればどこにでもある山水画に映るだろう。(中略)南画はヨーロッパ絵画のような、あるいは明治維新以降の絵画のように、作家の自我意識を直截に表現した絵ではない。むしろ作家の自我意識(オリジナリティ)を極限まで削ぎ落とし、自由な表現の余地などほとんどない定型にまで表現を押し込めて、その後、ほんのわずかだが決定的な自我意識表現を付加するのである』と批評しておられます。じっくりお楽しみください。

 

 

山本俊則 美術展時評『No.048 没後180田能村竹田展』 ■

 

 

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