岡野隆さんの詩誌時評『No.028 月刊俳句界 2015年06月号』をアップしましたぁ。『特集 一目でわかる!芭蕉一門とその後』を取り上げておられます。岡野さんは、芭蕉における儒学の影響を考察しておられます。

 

『儒教が日本にもたらされたのは古いが、いわば国家の思想として取り上げられたのは江戸に入ってからである。儒教は有本質論である。君主には君主の、臣下には臣下の本質があると考える。それが封建身分制度に支えられた幕藩体制を支える思想となった。(中略)町人階級の文人にまで儒教が受容されるのは(荻生)徂徠以降だと言って良い。よく知られているように宝井其角に「梅が香や隣は荻生惣右衛門」がある。芭蕉の散文には契沖の国文学よりも儒学の影響が色濃い』と岡野さんは批評しておられます。

 

岡野さんはまた、『芭蕉文学は漢文体の散文と和文的な俳句に分離していたが、いわば漢文体を骨組みにして芭蕉以降の俳句を大成したのが蕪村である』とも書いておられます。蕪村は俳人として知られますが、南画(文人画)の大家でもありました。南画が基本的に、画家の心の中にある理想郷を描く絵画です(そこに絵の内容に沿った賛と呼ばれる詩や文章が伴います)。蕪村の漢詩・漢籍の知識は豊富でした。俳句はけっこう漢文的なんですね。

 

んで岡野さんは『俳句は(中略)もの凄く大局的に言えば、江戸的な漢籍・漢詩文化に属している。それは封建権力が許容した文化であり、男の文化だった。(中略)俳句は男の文学だなどと言うと、女流作家の皆さんは当然反発なさるだろう。しかし(中略)江戸期を通じて女流作家が出なかったのはなぜなのかを考えてみるのは有益ではないかと思う。(中略)俳句文学で女流作家が一頭地を抜くためには、俳句文学の強さ、弱さを徹底して考えてみる必要があると思う』と批評しておられます。もはや詩誌時評を超えた批評ですね(爆)。

 

 

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岡野隆 詩誌時評 『No.028 月刊俳句界 2015年06月号』 ■