池田浩さんの文芸誌時評 『No.004 yom yom vol.26 2013年 春号』 をアップしましたぁ。『yom yom』 さん、お久しぶりですっ。新潮社さんから刊行されている小説誌です。よく見ると表紙の上の方に 『言葉で脱がせろ 言葉で抱け』 といふコピーが印刷されています。なんでここだけ 『週刊新潮』 的?。ただまあ 『yom yom』 さんには 〝脱ぐ〟 とか 〝抱く〟 といった作品はあまり掲載されていないやうです (笑)。
そんで 『yom yom』 さんには、『小説検定』 なるコンテンツが掲載されています。『ハリー・ポッター』 や 『指輪物語』 検定ならわからないことはないのですが、『小説検定』 とは間口が広いなぁ。池田さんが書いておられるように、『小説がトリビアルなオタク趣味の対象となった』 といふ感じがちょっとしますねぇ。四コマ漫画と星占いの方がまだ読まれるかもしれませんよ。
とはいえ 『yom yom』 さんは、文芸誌の中ではたくさんの純粋読者を抱えておられる雑誌です。たいていの純文学誌は、昔の詩壇と同様、書き手と書き手予備軍が主な読者になっています。新人作家は雑誌に掲載されている作品を規範として作品を書くから、どれもこれも似たような作品になってしまふわけですね。
その点、大衆小説誌は健全です。小説の自由度が高いという意味では、新しい試みは大衆小説誌の方から生まれてくるだろうなぁ。純文学誌が新しい試みを生み出せるとすれば、それは編集者の 〝見識〟 にかかっていると思います。優秀な人材が集まらないジャンルが優れた成果を生み出せないのは、どの世界でも変わりません。
■ 池田浩 文芸誌時評 『No.004 yom yom vol.26 2013年 春号』 ■