酒井聡 連載エセー『貧乏のたまもの』(第1回)日本語版・英語版をアップしましたぁ。文学金魚奨励賞受賞作品です。日本語版と英語版の同時アップです。
酒井さんの作品は「読む」という体験を問う力作です。「力作」の意味も従来の文学的な文脈からズレていますが。あらゆる意味でラディカルです。
私たちは絵を見たり、音楽を聴いたり、小説を読んだり、つまり様々な文化的・芸術的な体験を通じて別の世界を覗こうとしますよね。それによって音楽好きであるとか、文学好きであるとか、いろいろグループ分けがされ、コミュニティを作って交流もするわけです。
ただ同じジャンルのものが好きなもの同士だから気が合う、とは限らない。むしろ考えや感性の違いがはっきりすることが多い。自分と趣味嗜好が合う、もっと言えば世界観が近い人が、本当は別のジャンルにいる、ということもあり得ますよね。見ている世界をお互いに直接、覗き込む事は難しいですからね。
だけどこれからの時代、AIなどのITツールによって様々なジャンルが乗り越えられ、各作品が別の角度から見られることが多くなってくる。そんな立体的な世界観でお互いの見ているものを直接的に理解し合う、ということがあるんじゃないでしょうか。
酒井さんの作品はその前哨戦と言えます。今後、文学金魚は様々なコンテンツの英語版をもアップしていきますが、それもこういうビジョンの一環です。
紫雲さんの新人賞受賞前の佳作作品の連載も終了しましたね。終わりと始まり、これも楽しみです。文学金魚はこのように様々な角度から作家の可能性を照らしていきます。
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