小原眞紀子『文学金魚らじお Web3.0時代のコミュニティ(6) 文学と〝像〟』をアップしましたぁ。画像と文学の関係、そこから新たに生まれたNFTについて語っておられます。情報革命から足かけ30年近く経っていますがまだまだ安定や完成にはほど遠い。AIにせよ量子コンピュータ、暗号資産にせよ既存システムの変革が目白押しです。
NFTはモノ化したデジタルデータです。唯一の価値を持つデジタルデータです。クラウドはすでに一般化してますからローカルで保存したデータがHDと共に消滅する可能性は低くなっている。多くの店舗販売のモノと同様に所有者が死亡しても資産として受け継ぐことができます。市場も整備されつつある。インターネットが完全に水道ガス電気と同じ基本インフラになっているわけですから当然ですね。世界中に分散しているデータセンターがすべて同時に破戒されない限りデータは残る。
NFTは今のところアート(美術・音楽)系が多いわけですが、いずれそれは文学の世界にも波及します。それがどういう形になるのか、どんな形が相応しいのかを小原さんは考察しておられます。ポイントは像です。イメージ、イマージュと言ってもいいのですが日本文学の場合は漢字の〝像〟と言った方が的確かもしれません。
日本文化が欧米文化コンプレックスから抜け出し相互に影響を与え、それどころか欧米に強い影響を与え始めたのはつい最近のことです。本格的には2000年代からでしょうね。それを担ったのはマンガ・アニメです。なぜ日本のマンガ・アニメが高度情報化社会に呼応して世界的文化発信源になったのか。日本文化は元々漢字とその解体系の平仮名、片仮名の混交で成立しています。表意(像)が意味と組み合わさって像‘、あるいは像’‘’という形で増幅しています。これはNFT化だけでなく日本文化の原理に迫る問題設定です。
■小原眞紀子『文学金魚らじお Web3.0時代のコミュニティ(6) 文学と〝像〟』縦書版■
■ 金魚屋 BOOK SHOP ■
■ 金魚屋 BOOK Café ■