星隆弘連載評論『翻訳の中間溝――末松謙澄英訳『源氏物語』戻し訳』(第01回)をアップしましたぁ。明治維新で日本は中国から欧米に文化規範を大転換したわけですが、当時盛んにヨーロッパやアメリカで開催されていた万国博覧会に江戸幕府時代から参加しています。博覧会には当然日本を代表する美術品などを出品していました。文学の紹介は遅れていたと思っていたのですが、末松謙澄さんが明治15年(1882年)に『源氏物語』を英訳して出版していたんですねぇ。
今月から始まる星隆弘さんの連載は、末松謙澄英訳『源氏物語』の戻し訳です。「翻訳は裏切り」と言ったのはT・S・エリオットですが、それには様々な意味があります。異なる言語間でニュアンスを含む正確な翻訳が不可能なのは当たり前です。また翻訳は外国文学を母国語に訳すのが普通です。でも末松謙澄英訳『源氏物語』は日本人による英訳。なにが省略され何が加えられている(説明されている)んでしょうね。
星さんの紹介に末松謙澄は伊藤博文の女婿とあります。逓信大臣、内務大臣を歴任していますから政治家が表の顔です。ただ文才もあった。当時のことですから『源氏物語』の翻訳には日本を背負って立つような意気込みもあったことと思います。スリリングな連載が始まりました。
■星隆弘連載評論『翻訳の中間溝――末松謙澄英訳『源氏物語』戻し訳』(第01回)縦書版■
■星隆弘連載評論『翻訳の中間溝――末松謙澄英訳『源氏物語』戻し訳』(第01回)横書版■
■ 金魚屋 BOOK SHOP ■
■ 金魚屋 BOOK Café ■