紫雲 連載小説『クローンスクール』(第03回)をアップしましたぁ。『クローンスクール』は、国家のために働く優秀なクローンを生み出すための女の子ばかりの学校です。ただ競争と無縁ではありません。クローンといっても全員が同じ能力を持っているわけでもない。
「顔を合わせるのは初めてだな。驚いていることだろうと思う」
胡は美雨たちに顔を向けている。やはり原型たちには説明済みなのだ。
「君たち『外組』には理解しがたい光景だからね」
外?
「様々な場所で育てられ、相応の経験を積んできた。外部の環境にさらされてきたという意味では『外組』以外に的を射た表現はなかろう。しかし彼女たちは違う」
胡が原型たちに微笑みかけた。
「生まれてすぐ、育ての親のもとに預けられた君たちとは違うのだよ。彼女たちは然るべき場所に集められ、教育を受け、半年前に送られてきた。いわば『純粋培養組』だ」
紫雲『クローンスクール』
主人公の美雨(メイユー)たちは『外組』で、一般家庭で育てられました。スクールに車で自分たちがクローンだとは知らなかった。それに対してスクールには『純粋培養組』がいました。彼女たちは最初からクローンとしての英才教育を受けている。『外組』は『純粋培養組』の優秀さを試すため、あるいは純粋培養教育を越える能力を持っている者を見出すためのシステムです。残酷な設定ですが、学校という閉鎖システムの本質でもありますね。
■ 金魚屋 BOOK SHOP ■
■ 金魚屋 BOOK Café ■