遠藤徹さんの連載マンガ『キノコの森』(第22回)&『えくすぽえめんたる』(第08回)&連載小説『虚構探偵―『三四郎』殺人事件―』(第08回)をアップしましたぁ。『虚構探偵』は主人公が虚構パトロールにスカウトされた回です。
『虚構探偵』を含めて遠藤さんは物語についての物語小説を連続して書いておられます。物語、重要ですね。わたしたちのエンタメはゲームからアニメ、テレビ、映画、舞台に至るまで物語がなければにっちもさっちもいかない。ただ小説のような文字媒体の物語表現が訴求力を失いつつあるのは確かです。もちろん小説は物語も最も原初的な形態の一つであり、世の中から消えてしまうとは考えにくい。しかし文字だけの物語よりもヴジュアルをともなった物語の方が強い商品訴求力を持つ時代になっています。
それと同時に、従来のといいますか、古典的な小説的物語形態(形式)が揺らいでいるところがあります。ビジュアルを先行させて物語を作ることもできるわけで、その場合は当然、不文律的に守らなければならない、いわば文壇的小説ルールが不要になります。また小説をビジュアル化してもうまくいかないことがしばしばありますが、ビジュアル系の物語を小説にした時にも同様のことが言えます。
こういった物語の表現の質が社会全体で変わろうとしている時に、物語をテーマにした物語(小説)を書くのはとても重要なことだと思います。物語の本質を考えながら、従来的方法を崩してゆく小説の創造ということです。そういった現代文学の〝本格派〟といった雰囲気が遠藤さんの小説にはあります。
■ 遠藤徹 連載マンガ『えくすぽえめんたる』(第08回) ■
■ 遠藤徹 連載小説『虚構探偵―『三四郎』殺人事件―』(第08回)縦書版 ■
■ 遠藤徹 連載小説『虚構探偵―『三四郎』殺人事件―』(第08回)横書版 ■
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