第8回金魚屋新人賞受賞の松岡里奈さんの小説『スーパーヒーローズ』(第17回)をアップしましたぁ。『巨大なカリフォルニアが凍る――。』ほどのジョニーへの愛です。しっかし極端。この極端な愛というか、観念が『スーパーヒーローズ』の醍醐味です。
女性作家、特に若い作家がセックスについての叙述をすると、どうしてもスキャンダラスになる。もちろんそれを狙う作家もいます。ただ『スーパーヒーローズ』の場合はセックスは添え物ですね。観念の方が勝っている。
男と女では欲望を含めた愛の在り方がだいぶ違います。これについてジェンダーとかで説明できるのかどうかはご興味のある方は調べて見てください。ただ小説という古くて新しいジャンではその違いがハッキリです。女性は男の内面を見ている。時には特定の男の内面を通り超して男に表象されるイデアを追い求めてしまう。それは俗でありかつ聖である小説にはとても相応しいテーマであり、『源氏物語』の時代からそれほど変わっていないと思います。
■ 松岡里奈 連載小説『スーパーヒーローズ』(第17回)縦書版 ■
■ 松岡里奈 連載小説『スーパーヒーローズ』(第17回)横書版 ■
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