鶴山裕司 連載エッセイ『言葉と骨董』『No.086 空中戦!』(前編・後編)をアップしましたぁ。今回は手持ちの骨董の話ではなく、今年二月に毎日オークションで開催された「岩田家旧蔵特別コレクション」のレポートです。茜屋柿茶入、井戸茶碗「常磐」、長次郎作「閑居」などの名品が市場に出るのは尋常ではない。10年、20年に一度かもしれません。
今回の『言葉と骨董』は示唆的です。鶴山さんは長次郎作「閑居」を実際に手に取った印象について「枯淡と言えば聞こえはいいが全体的にカセていて特に見込みはガサガサ。粘土と釉薬の相性が悪く使っているうちに釉薬が剥げてしまったのじゃなかろうか。しかしそれが逆に利休―長次郎の国産抹茶碗(楽茶碗)草創期の試行錯誤を表している」と書いておられます。金銀宝飾品のような誰が見ても美しく均整が取れた古美術ではありません。しかし9億2千万円の値段がついた。金よりグラム当たり単価が高いです(笑)。日本の古美術は世界標準から外れています。価値を〝見出せない〟人にとっては小汚い茶碗に過ぎません。
骨董を含む美術好きはたいてい名品好きです。少しでも美術館の図録に載っているようなモノを手に入れようとします。鶴山さんはご自分のことを「落ち穂拾い的骨董好き」と書いておられます。が、額面通りには受け取れませんね。特に日本の古美術は誰もが〝これは名品だね〟と言い出すまではゴミ同然に扱われていることがしばしばある。お金があれば名品を買うでしょうけど、そうでなくても鶴山さんは面白いモノをどこからともなく見つけ出して来る。
石川、多少骨董をかじっていますが、鶴山さん所有の柏木貨一郎旧蔵『法隆寺金堂天蓋瓔珞玉』、『柏木貨一郎筆 気楽坊像』、『三浦乾也採集―柏木貨一郎旧蔵『奥州平泉中尊寺金色堂壁之金箔』』、『ウイルタ族の首飾り』などに驚いています。民間でこれだけ柏木旧蔵品を持っているのは鶴山さんだけかも。ウイルタ族の首飾りは世界に何点もないと思います。しかも日本領だった時の樺太ウイルタ族の族長の旧蔵品です。箱書がありますからね。石川は図録で一度も見たことがない。なぜ持っている。謎です(笑)。
■鶴山裕司 連載エッセイ『言葉と骨董』『No.086 空中戦!』(前編)■
■鶴山裕司 連載エッセイ『言葉と骨董』『No.086 空中戦!』(後編)■
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