鶴山裕司さんの連載エセー『言葉と骨董』『釘彫伊羅保の御本茶碗』(第65回)をアップしましたぁ。金魚屋から『夏目漱石論-現代文学の創出』を好評発売中の鶴山さんの骨董エッセイです。今回は江戸前期に対馬藩が朝鮮釜山の倭館内で焼いた抹茶碗です。御本(ごほん)と呼ばれます。御本はお手本の意味で、日本から絵や木型、土型を送って日本人陶工頭が朝鮮人陶工を指導して作らせた日本主導の発注品です。
「御本茶碗は、美術の世界だけでなく骨董業界でも今ひとつメジャーではない。出来がいいと古い高麗茶碗に化けたり(御本を古高麗として扱えば当然贋作扱いになる)、朝鮮で焼かれたのに対馬焼(対馬で陶磁器が焼かれたことはない)と呼ばれ、対馬産と称されることも多い。長い間よくわからない茶碗という扱いだったのだ」と書いておられますが、御本理解というか定義はいまだに曖昧です。しかし鶴山さんのエッセイを読めば概要はしっかり理解できます。非常にわかりやすく書いておられます。
石川も小手先の石川と呼ばれることがありますが、鶴山さんも器用です。ま、技術的にはそれほどたいしたことはないですが、今回はイラレで御本の略年譜を作って添付なさっています。鶴山さんの年代はパソ使いとパソ音痴に別れる傾向がありますが、前者と言っていいと思います。インデザの組版も早い。マルチジャンル作家ですが、パソでもたいていのことはできますね。
ほんで子規派作家論がまだ来ませんぞ。この方の悪い癖は先が見えた仕事をほっぽり出すことだなぁ。しっかり仕上げましょうね。
■ 鶴山裕司 連載エセー『言葉と骨董』『釘彫伊羅保の御本茶碗』(第65回) ■
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