小原眞紀子さんの連載エセー『詩人のための投資術』『第二十一回 テクニカル分析I―神の二つの顔』をアップしましたぁ。金魚屋から『文学とセクシュアリティ――現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の小原さんの経済エッセイです。今回はチャートです。投資の世界では〝チャートを読む〟ことが必須の能力になります。チャートが読めなければ投資力はつかないわけです。じゃあなぜチャートを読むのか。儲けたいだけなのか。
投資家というのは結局、その信念の正しさを証明するために戦っているようだ。誰もが黙る証明は「儲かること」ではある。けれどもそれが目的というより、やはり世界を把握すること、これに尽きるのではないか。安月給の数学研究者がリーマン予想を解くのに寝食を忘れるのと、信念を持った投資家が巨額の含み損に耐えて数百億円を稼ぎ出すのと、そのメンタルに大差はない。「世界をこの手に掴んだ」という実感がほしい。それだけだ。
(小原眞紀子)
こういう点に、小原さんが投資に惹かれている理由があります。ある程度チャートを読めてもそこから先もある。その先がまた面白いのであり、小原さんは「確立された手法というのは、それぞれまったく違うようでも、思想としてはかなり重なり合ったところがある。重ならない部分は、どこを強調するか、どのように視点をずらすか、という微妙な差異でしかないともいえる。微妙な差異だが、それによってひとつの手法で覆い尽くせない思考の穴、把握しにくかったメンタルの揺らぎが固定されることがしばしばある。小さなネジ一つで不具合がカバーされるようなものだ」と書いておられます。文学でも共通する話しです。
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