小原眞紀子さんの連載エセー『詩人のための投資術』『第九回 不動産――ホテル・ユニバーシティ』をアップしましたぁ。金魚屋から『文学とセクシュアリティ――現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の小原さんの経済エッセイです。大学不動産ビジネスの続きです。
小原さんは予備校や大学とホテルビジネスが相性がいいと書いておられますが、言われてみればその通りですね。ホテル、特にシティホテルのビジネス環境は時代によって大きく変わっています。シティホテルの宿泊料は高いですから、ビジネスホテルに比べて稼働率が低かった。バブルの時はもちろんですが、ちょいと前までシティホテルはパーティ(宴会)と結婚式などのセレモニーで稼いでいたところがあります。それが近年の日本観光ブームで、本業の宿泊業が盛況になっています。
パイが大きければ食い合いは起こりにくいわけで、小原さんが書いておられるように、大学のアカデミックな雰囲気とシティーホテル経営はグッドアイディアかもしれません。代ゼミがいち早く宿泊業に乗り出したのは先見の明があったんだなぁ。
小原さんの『詩人のための投資術』は実ビジネスを〝考えるヒント〟にしていますが、こういう柔軟な発想は文学の世界でも必要です。文学を含む出版業の環境は激変しています。本の売り上げ(本・雑誌の流通パーセンテージ)でAmazonが過半数を軽く超えましたね。つまり書店での販売は出版ビジネスの半分以下にまで減っているわけです。
本・雑誌の流通ルート変化は出版業の一例ですが、現実システムの変化は書き手や出版社にも、もちろん大きな影響を与えます。社会全体の大きな変化を捉えなければ、個人であれ企業(団体)であれ生き残れないことに変わりはありません。どんどん、いわゆるわたしたちの〝先見の明〟が試される時代になっているようです。
■ 小原眞紀子連載エセー『詩人のための投資術』『第九回 不動産――ホテル・ユニバーシティ』 ■
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