大野露井さんの連載小説『新故郷』(第05回)をアップしましたぁ。最初に文学金魚新人賞を受賞した小説『故郷-エル・ポアル-』があり、次に『故郷-エル・ポアル-』の注釈、そして今回の小説『新故郷』です。〝エル・ポアル〟は作家自身による注釈を間に挟んだ2つの作品から構成されます。
今回で『第一部 エル』編は終了です。次回から『第二部 ポアル』編を掲載します。前に『新故郷』を含む〝エル・ポアル〟連作は大野さんの墓碑銘なんだろうなと書きました。墓碑銘は石に刻まれて動かしようのないものですが、文学の世界では違います。様々な形で書き換えられてゆく。こういった形で一つの主題にこだわる作家や作品というものも、文学の世界ではアリです。もちろんどこまで石に刻むように書くのか、あるいは水の上の文字のように流れ続けるのかが問われます。いずれにせよ〝極端〟な表現であれば文学の世界はどんな作品だろうと許容します。
作家というか人間は基本臆病です。こんなこと書いていいんだろうかと常に悩みます。でも書いてしまうと意外と他者は驚いてくれない。この敷居を超えて、ある極端を社会性を持って表現してゆけるようになると作家としてはだいぶ成熟しています。エキセントリックを狙うのではなく、個の体験を突き抜けて普遍を得るんですね。そうすると個人の体験は多くの人に共有され深く理解されるようになります。
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