寅間心閑さんの『寅間心閑の肴的音楽評』『No.028 メタリック』をアップしましたぁ。今回はマッド・カプセル・マーケッツ、キング・クリムゾン、アインシュテュルツェンデ・ノイバウテンが酒の肴です。寅間さんは『好きなものを挙げるより、苦手なものを挙げた方が楽』と書いておられますが、その通りかもしれません。特に創作系の人はそういう傾向があるかも。
既存のコンテンツを読んで、『これじゃない、違う』と感じたところから創作意欲は生じるわけですが、誰だってなかなか『これだ!』という核心をつかめない。だから他者を痛烈に批判するようになる。でもいずれ『これ』という核心に近づかなければ批判するだけで終わってしまう。批判や批評には段階があるわけで、簡単に言えば無責任な批判と、責任ある批評があります。核心をつかむのが難しいとわかってくると、批評は責任感を帯び始めます。そこまで至り着くのが創作の第一歩ですね。文学以外のジャンルでもほぼ同様のことが言えます。
逆に言えば、正面切って『好き』と言えるのは余裕の表れかもしれません。ファンは創作者ではないので余裕がある。でも創作者は他の作家に対してどうしてもライバル意識を持ってしまう。誰かが華々しくデビューしたり賞を受賞したり本が売れたりすると、嫉妬で苦しんだりするわけです。だけどそれはムダ。自己の創作の核心をつかんでいれば、現世の様々な諸相は相対化できます。その方法は人それぞれですが、『ああいいね、大好きだよ』と、何の含みもなく同業者のコンテンツに対して言える人は、自己に余裕があるのです。
■ 寅間心閑 『寅間心閑の肴的音楽評』『No.028 メタリック』 ■
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■