Interview of gold fishes 第24回 マルク・カエージャスインタビュー『道という偉大な文学劇場』(上編)をアップしましたぁ。インタビュアーは青山YURI子さんで、スタジオでの写真撮影は鶴山裕司さんです。カエージャスさんは青山さんが尊敬する作家であり、お仕事のリサーチのために来日なさった機会にインタビューが実現しました。スペイン語、カタルーニャ語ができる青山さんにインタビューをお願いして翻訳作業も行っていただきました。大変な作業だったと思います。お疲れさまです。
インタビューを読んでいると、カエージャスさんは完全なポスト・モダニズム作家です。というか、ヨーロッパではポスト・モダンであることが普通の現代作家であることです。つまりすべての物語は書き尽くされすべての試みは行われた、ここから創造せよ、ということです。日本でもそういった考え方をする作家はいますが大勢としては保守的です。むしろ文学神話の崩壊に抗って、昔ながらの文学神話にしがみつく姿勢も見られます。もちろん欧米の文学動向をそのまま日本に移入することはできませんが、カエージャスさん的な現代性が近い将来日本でも認識基盤になるのはほぼ間違いないと思います。
カエージャスさんは『今日の作家は、ディレッタントであるべきだと思う。少し文化人類学者、少し社会学者、少し活動家。時々、文化の消費者。そして少し、創作者。これらを少しずつ混ぜた者』と話しておられます。作家ごとに様々なスタンスの取り方があると思いますが、作家の〝専門性〟が変わってゆくことは間違いありません。文学専門は文化一般の専門家と同義になるでしょうね。この点に関しては、日本では小説家よりも、批評家の方が先に大きくその質を変えつつあります。いずれにせよ我々はポスト・モダニズム世界(ネットによって世界が変わってしまった高度情報化社会)に生きています。多かれ少なかれ、カエージャスさんのように抽象概念と実在の土地の間を往還して、作品を作るしかないでしょうね。
■ Interview of gold fishes 第24回 マルク・カエージャスインタビュー『道という偉大な文学劇場』(上編)縦書版 ■
■ Interview of gold fishes 第24回 マルク・カエージャスインタビュー『道という偉大な文学劇場』(上編)横書版 ■
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■