高嶋秋穂さんの『詩誌時評・歌誌』『No.044 特集「正岡子規生誕百五十年 和歌革新運動 明治の歌人は何を夢見て何を成したか」(角川短歌 2017年10月号)』をアップしましたぁ。正岡子規の特集です。ホント、角川短歌さんの特集は真っ当です。今号は冒頭に明治短歌から現代短歌までの流れが図で示されていますが、勉強になります。特集ページ数も必要十分。小説文芸誌・詩誌を通して角川短歌さんの編集方針が一番好きだなぁ。
小説文芸誌だって、巷で売れて話題になっている本と、文芸誌が形作るいわゆる〝文壇〟には相当な乖離がある。詩の業界は小説界よりもっと乖離が激しいです。句誌は実質的に文学雑誌ぢゃないな。趣味の俳句の応援雑誌です。詩誌はもっと特殊。現代詩手帖のコンテキストを理解しなければとても読んでいられない。かなり狭い範囲の業界誌だと言っていい。しかし歌誌は、特殊なようで読むとなるほどーと理解できるんですね。
ところで石川は文学金魚編集人ですから、金魚掲載のコンテンツは全部読んでおります。石川は元々詩が不得手だったんですが、コンテンツを読んでいるうちにだんだん理解できるようになりました。理解しなくてもいい、する必要がないという点を含めてね。
小説だけでなく詩も理解すると、文学という表現の総合的な理解が進みます。その経験から言って、やっぱ正岡子規はかなり重要な作家だろうと思います。子規は総合文学作家であり、文学金魚がやろうとしていることとかなり重なります。作家には資質というものがありますから、結果として小説、あるいは俳句が代表作になることはある。しかし文学全体を捉えてあるジャンルで突出した作家は、その仕事の質が後の文学の共通基盤(パラダイム)になっていると思います。
■高嶋秋穂 詩誌時評『歌誌』『No.044 特集「正岡子規生誕百五十年 和歌革新運動 明治の歌人は何を夢見て何を成したか」(角川短歌 2017年10月号)』 ■
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■