山本俊則さんの美術展時評『No.076 『川端龍子-超ド級の日本画-』展』をアップしましたぁ。戦後女の子に「子」をつけるのが一般的になった時期があったため、「子」のつく名前は女性と思いがちですが、川端龍子、男性です。それも相当に向こうっ気の強い男の子らしい画家でした。明治18年生まれ昭和41年没ですから、つい最近まで生きておられた画家です。
山本さんは初期の代表作『香爐峰(こうろほう)』について、『パイロットのモデルは龍子自身だと言われるが、戦闘機に乗って雄大な中国大陸を眼下に見た画家の興奮がストレートに表現されたような作品である。精神の高揚は、戦争よりもにわか戦闘機乗りになった画家の方にあるのではなかろうか。戦争の忌まわしい記憶がつきまとうのは仕方がないが、昭和十四年当時の日本と画家の精神がストレートに表現された絵画として傑作だと言っていい』と批評しておられます。
川端龍子は近代日本画の代作作家で画壇にも積極的に貢献しましたが、今ひとつその本質を捉えるのが難しい。それについても山本さんは『龍子作品はドカンとした大作で画題もわかりやすいが、独特の鑑賞の難しさがある。作品を見れば、彼が向こうっ気の強い人だったことがひしひしと伝わってくる。独自の画風を打ち立て、青龍社という一家を為さねば気が済まないような人だった。ただ彼の精神は絵の深みへは向かわない。ある社会的事件、ある画題を思いつくと、それに向けて一気に精神が盛り上がってゆく。事件であれ事物であれ一瞬の高みを見極め、それを的確に絵画に仕上げる。絵が完成すると振り返ることなく、次の画題を求めてゆく』とズバリと批評しておられます。じっくりお楽しみください。
■ 山本俊則 美術展時評『No.076 『川端龍子-超ド級の日本画-』展(前編)』 ■
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