ドイナ・チェルニカ著、ラモーナ・ツァラヌ訳、No.004 『少女と銀狐』第4、5章をアップしました。「第4章 真水にすむカエルとの会話」「第5章 コウモリがゴン・ドラゴンの話をする」です。
今回の連載を読むと、ボズガは世界を汚くしてしまう悪いヤツだと思っていましたが、それだけではないようです。少女とイルとアレイはボズガの後を追うように進み、その汚染を世界から除去してゆきます。で、彼らが追い求める銀狐はうわの空で、だけど急ぎながら旅を続けます。この物語、けっこう循環的構造を持っているのかもしれません。続きが楽しみです。
ルーマニアとはちょっと離れていますが、ポーランド元駐日大使のヤドヴィカ・ロドヴィッチさんは日本文化研究者で、新作能『調律師-ショパンの旅』をお書きになって観世銕之丞さんが上演なさったことがあります。東欧の精神性と能楽のそれは相性がいいところがあるのかもしれません。イタリア、スペインなどでは、能楽はあんまり理解されないような雰囲気がありますね(爆)。
もちろん東ヨーロッパもキリスト教圏なのですが、東ローマ・ビザンチン系の文化が色濃く残っていることが、一種独特の精神文化を生んでいるのかもしれません。ただそれを神秘主義(ミスティズム)などと言っていたのでは話が進まない。現代では同一性を見極めながら決定的差異を露わにすることが、現代文学の鍵となるでしょうね。
■ ドイナ・チェルニカ著 ラモーナ・ツァラヌ訳 No.004 『少女と銀狐』第4、5章 縦書版 ■
■ ドイナ・チェルニカ著 ラモーナ・ツァラヌ訳 No.004 『少女と銀狐』第4、5章 横書版 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
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