鶴山裕司さんの連載エセー『言葉と骨董』『第048回 ちりあくた』をアップしましたぁ。夏目漱石の『彼岸過迄』が掲載された、古新聞の切れ端で一本書いておられます。骨董屋さんで、古伊万里の入っていた箱のクッション材の古新聞の中から見つけたようです。当然といえば当然ですが、骨董が好きなのと文章を書く力があるのは別ですね。
で、今回の『ちりあくた』は15枚、前回の『富山県立美術館展』は45枚です。一昨日アップした『卒塔婆小町』劇評は約10枚ですね。読めばわかりますが、そんなに力が入っている文章ではありません。すらりと読める。文章を量産できる力と読みやすさは、微妙な相関関係にあります。書けば書くほど力が抜け、さらに量産できるようになる。小説、詩、エッセイ、評論でも基本的に同じです。うんうん考え込み、人生を賭けるような意気込みで書いた作品が秀作になるとは限りません。
もちろん基本的に、作家が他者に伝達するに値する内容を持っていなければ文章は量産できません。ただどんな仕事でもそうですが、あるレベルを〝抜ける〟瞬間はあります。様々なレベルがありますが、1レベル、2レベル、3レベルと各レベルを抜けた時点で、一定の質の作品を、それなりに量産できるようになります。ただ各レベルを抜けるのは常に正念場です。また文章を知的労働だと思っていたのでは抜けられない。肉体と密接に関係しています。身体が書くことを覚えなければ、文章は量産はできないのです。
■ 鶴山裕司 連載エセー『言葉と骨董』『第048回 ちりあくた』 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
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