大野ロベルトさんの連載映画評論『七色幻燈』『第十五回 禁じられた気品』をアップしましたぁ。映画の中の紫色について論じておられます。洋の東西を問わず、紫は高貴な色とされているようです。大野さんは『自然界には一部の植物を除いて、紫色がほとんど存在しない。逆に言えば森深く隠された美しい花であるとか、ほとんど超常現象ともおぼしいオーロラのような特異なものにのみ紫色は許されているのであり、人工的にこれを再現することは、取りも直さずその特異さを我がものとすることを意味していよう』と書いておられます。
もちろん現代になると、制度的な権威とは別に精神的な高みが紫色で表現されるようになります。大野さんが取り上げておられるプリンス主演の映画『パープル・レイン』や、アリス・ウォーカー原作、スピルバーグ監督の『カラーパープル』などが典型的です。社会の底辺に押し込められていても心の高貴さが紫で表現されているわけです。
中国では清時代までの皇帝の居場所だった紫禁城がありますが、これも観念的な使い方ですね。紫禁城、実際に行くと茶色っぽいですもの(爆)。ベルトリッチ監督の『ラスト・エンペラー』でも紫はあんまり目立ってなかったな。むしろ白いカーテンとかが印象的でした。確か幼帝溥儀がずらっと並んだ臣下の前に飛び出す前に、白のカーテン(幕か)と戯れておりました。映画って、色とかちょっとした細部が印象に残るようなところがありますね。
■ 大野ロベルト 連載映画評論 『七色幻燈』『第十五回 禁じられた気品』 ■
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