ラモーナ・ツァラヌさんの『青い目で観る日本伝統芸能』『No.030 『青い目で見る日本伝統芸能』を振り返って』をアップしましたぁ。ラモーナさんには演劇批評を連載していただいておりますが、今回はその中締め篇です。来日して以来、ラモーナさんは積極的に日本の演劇をご覧になっていますが、そのスタンスが微妙に変わってきたようです。
ラモーナさんは『私の研究では、日本の芸能の「多様性」が重要なキーワードになっている』と批評しておられます。これはその通りなんでしょうねぇ。日本は極東の島国で、ユーラシア大陸のどん詰まりという地理的位置です。正倉院御物に代表されるように、遠くはペルシャから運ばれてきた古い物などが、発掘ではなく、伝来という形で残っていたりする。中国ではすでに失われてしまった文献もかなりの数伝来しています。それは芸能も同じです。戦後に至るまで様々な演劇が日本にもたらされましたが、伝統芸能として根付いたもの以外で、一時的に流行した芸能であっても、意外にしぶとく生き残っています。
またラモーナさんは、研究は『とある環境の「現状理解」を目的とする』のに対して、評論は『作品の良し悪しを判断することや、「良質な作品や作風とは何か」を見出すことなども求められる。その際の肯定や批判の基準も問われる』と書いておられます。今後は研究と評論のバランスを取って、演劇に対峙してゆかれるようです。
その一つのポイントが、〝performing arts〟という言葉で表現できるようです。演劇は基本的に〝theater〟と表記されますが、能はもちろん、日本の前衛的現代演劇はperforming artsと表記した方が正しいのではないかというのがラモーナさんのお考えです。こういった中締め的な認識スタンスを前提として、ラモーナさんには引き続き演劇批評を書いていただく予定です。
■ ラモーナ・ツァラヌ 『青い目で観る日本伝統芸能』『No.030 『青い目で見る日本伝統芸能』を振り返って』 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■