大野ロベルトさんの連載映画評論『七色幻燈』『第十四回 文明に茶々を入れる』をアップしましたぁ。映画の中の茶色について論じておられます。主にアメリカ映画を取り上げておられますが、メアリー・ハロン監督の『アメリカン・ビューティー』について大野さんは『(主人公)レスターの妄想の場面は満開の薔薇でいっぱいだというのに、現実世界の色調は全体的に茶色がかっている。それは中年男レスターが人生に疲れ、樹が枯れるようにして生気を失ってゆく様を思わせると同時に、アメリカという国家の理想主義が避けようもない破綻に直面し、この豊かな超大国がいつか再び荒野へと還ってゆくことを予告するようでもある』と批評しておられます。
日本には至る所に川があり海も近いですが、地球全体で言うと湿潤な国はそれほど多くないかもしれません。アメリカは国の真ん中あたりに、アメリカ人ぢゃない人間には、どれが何州だっけと迷ってしまう四角い州がたくさんあります。このあたりはだいたい乾燥地帯ですな。中東・アフリカに乾燥地帯が多いのは言うまでもありません。ヨーロッパはおっきな川がけっこうありますが、なんか土地が古いなぁといふ印象を与えますね。土地全体が古く乾いているといった感じです。
こういった自然環境は、当然ですが人間の感覚と思考に影響を与えます。大野さんが書いておられるようにアメリカが資本主義的極彩色の国なのは、国土の多くが乾いているからかもしれません。中東も黒のヒジャブに身を包んでいる印象がありますが、宗教装飾などを見ると精神世界は非常に華やかです。チベットもそうだな。茶色く乾いた土地の人間の方がメリハリのある極彩色を好むのかもです。
■ 大野ロベルト 連載映画評論 『七色幻燈』『第十四回 文明に茶々を入れる』 ■
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