田山了一さんのテレビドラマ批評『No.163 やすらぎの郷』をアップしましたぁ。テレビ朝日さん系列で放送されている昼帯ドラマです。浅丘ルリ子、有馬稲子、加賀まりこ、五月みどり、八千草薫、石坂浩二、藤竜也、ミッキー・カーチスさんら、豪華俳優陣が出演しておられます。脚本は倉本聰さんです。
田山さんは、『この手があったか、という豪華キャストドラマである。昼の帯だから、あの『あまちゃん』のシルバー版のようでもある。豪華さはずっと上回るが、その豪華キャストのかつての文脈を知る視聴者に、それを脱構築して見せているという意味で、同じくポストモダン的なドラマでもある』と書いておられます。倉本聰さん脚本だから、これだけのメンバーを集められたのかもしれませんね。
アメリカで『デスパレートな妻たち』というドラマが大ヒットしたことがありますが、捉え方によっては日常生活は波乱に富んでいます。それは日本でも同じなのであり、田山さんは『やすらぐことのない、けれどもそれを求める切実もあり、矛盾した衝動もありという裏腹なあり様の象徴としての『やすらぎの郷』。そこはテレビ人に限定された高齢者のための施設であり、女優や脚本家はかつての姿を当然、引きずっている。引きずりながら人の普遍としての老いに向かう。そこは特殊な施設でありながら、老いのかたちは一般的、普通の人々と変わるところはない』と批評しておられます。
スターが若者であるのはいつの時代も同じです。人は新しもの好きなのです。しかし年を重ねるほど成熟してゆく人間がいるのも確かです。かつての大スターとはいえ、今では花は失われている。しかしそれを補う経験や知性を持っています。その〝老いの花〟をどう引き出すのか。倉本聰さんはそんな新たな試みを為し始めているのかもしれません。
■ 田山了一 テレビドラマ批評 『No.163 やすらぎの郷』 ■
■ 第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■