岡野隆さんの『詩誌時評・句誌』『No.063 角川俳句 2016年09月号』をアップしましたぁ。石川もいちおう毎月角川俳句さんをチェックしていますが、若手作家が不平を言うほど保守的雑誌ではないと思います。ただ掲載作品はほぼ有季定型です。前衛的作品は少ないですが、それはどの俳句商業誌も同じです。また短歌界では口語短歌全盛ですが、いわゆる伝統歌人と口語歌人の作品の掲載比率は、8:2か9:1くらいではないかと思います。前衛はいつの時代でも茨の道なのです。ま、誰もが前衛になったら意味がなくなっちゃいますよね(爆)。
また現在の口語短歌が短歌前衛か否かについては議論の余地があると思いますが、俳句の世界ではいわゆる前衛運動は一昔前のものになったと思います。自由律俳句は碧梧桐や井泉水らが始め、多行を主体とする前衛俳句は重信らが始めたわけですが、面白いことにそれらは俳句結社を拠り所にする一種の〝伝統〟になっております。このあたりに俳句文学の抜きがたい保守性があるわけで、ちゃんとそれを突き詰めて考えられる頭のいい人が出て来ない限り、俳句の新たな前衛は生まれないでしょうね。前衛と言ってもけっきょくは先人の理念を金科玉条のように繰り返している面が強いからです。
ただまあ大結社内で出世した俳人の作品や評論ばかり載るようでは面白くないわけで、頭もよく処世術にも長けた若手俳人の皆様には、ヒツジの皮をかぶったオオカミくらいの戦略は持っていただきたいものだと思います。ミイラ取りがミイラになる可能性はありますが、本気でちょっとでも俳句の保守性を変えたいのならそのくらいの戦略は必要でしょうね。詩の世界は結局は作品でしか動かないのは誰もが知っているわけで、ジャーナリズム仕事は一種のお遊びです。自分も楽しみ他者も楽しめるお遊びを仕掛ける方が流れは変えられるように思います。
■ 岡野隆 『詩誌時評・句誌』『No.063 角川俳句 2016年09月号』 ■
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