Interview of gold fishes 第20回 筒井康隆『宙を行く創作の旅(下編)』をアップしましたぁ。御存じ筒井康隆大先生のインタビュー下編です。筒井さんは今でこそ文学界の大物ですが、石川の若い頃は売れているけどその文学性がなかなか認められない作家さんでした。その影響はまだちょっと残っていて、今も筒井さんはいわゆる文壇システムとはちょっと距離がありますねぇ。つくづく制度をはみ出してしまう作家であり、既存制度に収まり切らないという意味で、唯一無二の作家さんでもあります。
創作の原点はやはり喜劇役者としての肉体性にあるでしょう。お話ししたような初期の頃のドタバタ・スラップスティックがそれですが、ずいぶん悪口を言われましたよ。「ここからは何も出てこない」「文学性ゼロ」とかね(笑)。それでもそれが自分にとっていちばん面白いんだから仕方がない。書き続けているうちに、「あれだけ言ったのにまだやってる」「どこかトロいのではないか」と馬鹿扱いされました。その後歳をとってきて、身体が思うように動かなくなり、ドタバタ・スラップスティックができなくなったので、しかたなくブラック・ユーモアや言語実験、メタフィクションなどを書きはじめたんですが、それ以来、突然文学賞をあちこちから貰うようになったんです。そうなってくると、そうなって初めて「やはり昔のドタバタの方がよい」などと言うやつも出てきてね。そんなら初めから褒めとけっていうんだ(笑)。
(筒井康隆)
まー実感のこもった正直な筒井さんの回想であります。確かに『虚人たち』くらいから筒井さんのいわゆる〝文学的評価〟はグングン上がってゆきました。普通の流行作家ではないということはみんな気がついていたはずなのに、実際に『ブラック・ユーモアや言語実験、メタフィクションなど』が出て来ないと、世間一般というか文壇は動かないんですね。ただそうなると、またムクムクと反抗心が生まれてくるのが筒井大先生のいいところです。この先生、なにをやり出すかわからない。目が離せない作家さんの一人であります。
■ Interview of gold fishes 第20回 筒井康隆『宙を行く創作の旅(下編)』 縦書版 ■
■ Interview of gold fishes 第20回 筒井康隆『宙を行く創作の旅(下編)』 横書版 ■
■ 第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
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