日本が誇る世界的特殊作家、三浦俊彦さんの連載小説『偏態パズル』(第90回)をアップしましたぁ。三浦センセの〝おろちとキャラ論〟が展開されております。〝おろちキャラ〟といふ類型化は可能か?といふ哲学的命題でありまふ(爆)。
キャラクターものとしておろち史をアレンジするには、波動の崇高が厚すぎて、強弱濃淡いかなるポピュリズムの余地をも残せない。既定キャラを能率的に配置しながらのメタの台詞(「ツンデレのテンプレ乙」by橋田至@『シュタインズ・ゲート』「これも萌えの重要要素の一つなのよ!」byハルヒ@『憂鬱』等々)で括弧付き手法へとベタを乾かす手口はおろち系にとって下品すぎ非内臓的すぎるのだ。結局、数知れぬおろちアニメやおろちゲームが最大でもプチローカルヒットにとどまったゆえんである。
辛うじて「なぜ」に肉薄する答えとしておろち文化史は、性格ではなく体質でうねってゆく。正確には体質と非体質でのたうってゆく。体質者も非体質者もともに無性格サイコパス体質を基盤とした〈とっかかりナシ〉でめいめい連ねられるほかない。主体は人間ではなくおろちという理念であるというマルチバース全般の超情緒的実相が明らかになった瞬間こそが、
――おろち元年――
と呼ばれているのであるから……。
(三浦俊彦『偏態パズル』)
『主体は人間ではなくおろちという理念である』といふ結論はすごいなぁ。俳句文学の主体が俳人ではなく、五七五プラス季語の『俳句定型』であるといふのに近いかな(爆)。ともあれ三浦センセ、おろち学を通してある本質に肉薄しておられるのは確かなやうです。ただま、この真理の探究、時には大爆発を起こしてしまふやうですが・・・。
■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第90回) pdf版 ■
■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第90回) テキスト版 ■
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