長岡しおりさんの文芸誌時評 『No.004 en-taxi (エンタクシー) 第46巻 ファイナル号』をアップしましたぁ。en-taxiは扶桑社さんから年3回刊行されていた雑誌で、福田和也、坪内祐三、リリー・フランキー、重松清さんが編集同人を務めていました。当初は柳美里さんが編集同人の一人でしたが、No.019から外れています。
長岡さんは、『流通も編集事務も、既成のジャーナリズムと出版社におんぶに抱っこでありながら、編集権限や編集長の椅子だけを物書きが占めるというならよくあることで、少なくとも同人誌ではあるまい。ただ、そこに複数の物書きの軋轢があり、その中で編集方針が揺れ動くなら、確かに同人誌的な風景を彷彿とさせる。この雑誌における人間関係のごたつきはその証しだったと言えるかもしれない』と書いておられます。
石川は柳美里さん降板の経緯は詳しく知りませんが、パッと辞めちゃえるところが柳さんらしひなぁと思います。はっきし言って、今はよほどの売れっ子作家でない限り、作家より編集者(編集部)の権限の方が強ひ時代です。編集部に楯突くと雑誌に書かせてもらえない、本を出してもらえなひといふことが現実に起こり得ます。んなことわかっていて平然と強行突破しちゃう柳さんはやっぱ偉い(爆)。
それは柳さんに本質的な作家としての力があるからでしょうね。いわゆる文壇システムにはほとんどかかわらず、私生活でもなにかと話題の多い柳さんですが、この方が書くことで新たな道を切り開いてきたのは確かです。作家や作品の好き嫌いを言い出せば、それは読者の数だけあるわけで、んなことは問題ではありません。石川は昨今の文学界は女性作家の方が筋が通っている方が多いと感じますが、柳さんもそのお一人でありますぅ。
■ 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)は3月31日〆切です ■
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■ 長岡しおり 文芸誌時評 『No.004 en-taxi (エンタクシー) 第46巻 ファイナル号』 ■