あけましておめでとうございます。本年も文学金魚をお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。新年第一弾はInterview of gold fishes 第16回 馬場あき子『日本文化の底流を流れるもの(後編)』です。宮中歌会始ではないですが、新年最初に歌人の馬場さんにご登場していただくのは、とっても華やかでおめでたい感じがします。なおインタビューには文学金魚で演劇批評とエセーを連載しているラモーナ・ツァラヌさんにも加わっていただきました。
馬場さんは歌人としてはもちろん、思想家としても超一流です。それは今回のインタビューを読んでいただければおわかりになると思います。馬場さんは日本の芸術の神髄について、『お茶でお薄をたてますが、その作法はみんな同じです。誰がたてても同じことをやっている。でも何十人もの人たちが宗匠のお手前を注視するわけでしょう。何を見ているのか。(中略)質を見ているんですよ。芸じゃなくてその人の到達した人間の質ですよね。(中略)質の美と厳しさを通して、その人の人格を見ているんです。能の仕舞も同じです。(中略)型を通して現れる、その人間の質が美しいか美しくないかを見ているんです。日本の芸術は質を見る芸術なんです。短歌の場合は声です。その歌を声を出して詠んだ時の言葉の響きに人間の質が出ますね。否応なく出る』と語っておられます。至言だと思います。
んで文学金魚は昨年ようやく100万ページビューに達しました。純文学系の総合文芸誌ですからゲームや芸能系サイトのようなアクセス数にはならないとは思いますが、まだまだですねぇ。今年は単行本の刊行も本格的に行う予定ですので、様々なイベントを含めて読者の皆様と交流を持ち、文学金魚をより大きく育てていきたいと思います。Web総合文芸誌である文学金魚は作品(コンテンツ)の発表形態も含めて、従来とは異なる文学の発信・受容方法が必要だと切実に考えております。それを形あるものとして実現してゆくためには読者の皆様のご協力が不可欠です。本年も文学金魚をよろしくお願い申し上げます。
■ Interview of gold fishes 第16回 馬場あき子『日本文化の底流を流れるもの(後編)』 pdf版 ■
■ Interview of gold fishes 第16回 馬場あき子『日本文化の底流を流れるもの(後編)』 テキスト版 ■