田山了一さんのTVドラマ批評『No.101 下町ロケット』をアップしましたぁ。TBSさんで日曜日21時から放送されているドラマです。原作は池井戸潤さんで、阿部寛、土屋太鳳、真矢ミキ、小泉孝太郎、吉川晃司、杉良太郎、倍賞美津子さんら豪華俳優陣が出演しておられます。石川も毎週ビール片手にテレビの前に座って見ておりまふ。
田山さんは、『実体験や取材をもとに、細部のリアルを描写しようと努めるドラマは時折見かける。(中略)銀行の内幕も、ロケット打ち上げも、興味があるという向きは大多数ではない。そこへ皆を引っ張ってゆくには、万人に訴えるものが必要になる。池井戸作品の場合、それは胸のすくような報復、とりわけそれが正義の名の下に為されるとき、我々は一昔前の水戸黄門の視聴者と変わらない。どんなに斜に構えて現代を受け入れても、むしろだからこそ我々の求めるものは同じだ』と批評しておられます。あの『偏態パズル』の三浦センセも、『半沢直樹』はDVDで全部見たとおっしゃってたものなぁ(爆)。
田山さんが書いておられるのは大衆小説のプロットの立て方でもあります。大衆小説はどこかでマスの欲望に沿っていなければなりません。ただそればかりやっていると読者や視聴者に飽きられる。プロットを立てる高い能力があり、かつそのクリシェを打ち破る要素を秘めているのが最も優れた作品といふことになるわけですが、さういった作品は時間が経てば、純文学なのか大衆小説なのか、誰も気にしなくなるものです。
■ 田山了一 TVドラマ批評 『No.101 下町ロケット』 ■