金井純さんのBOOKレビュー『絵のある本のはなし』『No.043 『旅猫リポート』 有川浩著』をアップしましたぁ。『図書館戦争』で有名な有川浩さんの絵本風小説です。金井さんは『『吾輩は猫である』への言及から始まる。その意味では、通常の児童文学、絵本とは毛色が違う。・・・猫の視点から見たある男のあり様、という意味では『吾輩は猫である』を踏襲している。異なっているのは、男が若く、病を得て死に向かっているという点である。すなわちドラマとプロットがある。それは『吾輩は猫である』とはまったく相反するものではある』と書いておられます。
漱石先生の人気は衰えないなぁ。だいぶ前に、石川の骨董のお師匠さんの鶴山裕司さんが漱石の墨書を入手したので見に行ったことがあります。鶴山さんは座布団の上でオナラをしながら、『ブンガクシャの墨書って、ほとんど誰も興味ないだろうけど、漱石だって言うと、マジ? ホンモノなの?って振り向いたりするだろうなぁ。そういうのって漱石だけだよ』と言っておられました。確かにそうだなぁ。谷崎や川端や三島の書だと「へ~」ですが、漱石だと「へぇぇぇぇ~」かもしれまへん(爆)。
んで『旅猫リポート』ですが、金井さんは『『旅猫リポート』には絵が付いていて、絵本という位置付けでもある。・・・この、猫っぽく描かれた線が弁護し、代弁する。猫がヒトに接近しているのではない。ここでのヒトが猫並みなのだ。そのドラマは猫の恋、猫の死ほどのもので、しかし本当のところいわゆる人生、ヒトの生なんてそれほどのものかもしれなくはある。それが猫の視点の示すものなら、漱石先生へのオマージュでないこともないだろう』と批評しておられます。
■ 金井純 BOOKレビュー 『絵のある本のはなし』『No.043 『旅猫リポート』 有川浩著』 ■