金井純さんの『親御さんのための読書講座』『No.035 こころの処方箋 河合隼雄著』をアップしましたぁ。昨日の外山滋比古さんの『思考の整理学』と同様、河合さんの『思考の整理学』もお受験問題では定番で、一種のハウツー本であります。しかし子供たちにはウケが悪いやうです。
金井さんは『こころの処方箋』について、『大人には読みやすい本である。精神的な安定を得て、生活の質を向上させるという実践的で有用な書物でもある。・・・どういうわけか子供はこの本をひどく読みあぐねる。・・・この処方箋は小児用ではない、ということだ。大人たちの悩みは、社会で善しとされていることにそぐわない、ということだし、それにまず共感しなくてはカウンセリングは務まらない。・・・子供たちの悩みはそれとは無縁のところ、ときにはむしろその善きものがそもそも理解できないところから生じているのだ』と批評しておられます。
大人のこころは多かれ少なかれ、社会的コードによって形作られていくものであり、そのコードの存在には納得できる理由があるといふことです。コードを外すにしても、コードの存在とその成立理由を理解した上でないと社会に受け入れられません。しかし子供たちはそのようなコード(善きもの)をまだ持っていません。だから自由な発想が生まれるのですが、一方で〝教育〟によってコード=善きものを教える必要もある。難しいところであります。
ほんで金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞)を十月半ばに発表するとアナウンスしましたが、選考が遅れております。この週末の三連休に二回もスカイプ会議があり、不肖・石川は、『あ~それで決まりですね』、『なるへそ~、そういふ考え方もありますね』と相づちを打っているうちに、『おのれの考えはないんかいっ!』とどやされてしまひました(涙)。
金魚さんの一声で、意見統一できるまで議論しなはれといふことになり、もう一、二回、スカイプ会議が開催される予定です。今週末に会議を行い、来週には発表したいと思いますですぅ。
■ 金井純 『親御さんのための読書講座』『No.035 こころの処方箋 河合隼雄著』 ■