田山了一さんのTVドラマ批評 『 No.038 太陽の罠』 をアップしましたぁ。音楽ユニット AAA の西島隆弘の主演の、NHK さんの社会派サスペンスドラマです。田山さんも書いておられますが、サスペンスドラマにふさわしい撮り方になっていますねぇ。俳優さんの顔立ちや体型が違うのでしょうがないんでしょうが、欧米のドラマってけっこう照明が暗いです。スポットの照明でも俳優さんの顔や身体がはっきり浮かび出るからでしょうね。対してアジア圏のドラマの照明は明るい。でもだんだん明るくも暗くもない独特の照明を使用する作品が増えてきました。ちょい暗めの画面が好きな石川には嬉しいことですぅ。
田山さんは 『この気の毒な男が存在感のない感じで (西島本人の談話) で演じられ、いかにも技術系の会社の社員というリアリティがある。主人公に存在感がないというのは、通常は致命的なのだが、この場合にはたいへん生きている』、『会社内の人間関係が形成するものとしての 「社会派」 サスペンスでは、確かに主人公の存在感というものはない方がいい。この場合の本当の主人公とは、会社という組織における 「関係性」 だ』 と書いておられます。組織といふか、社会がちっぽけな人間に襲いかかってくるタイプのドラマです。田山さんが書いておられるように、戦後でこのタイプの作品を数多く書いた作家に松本清張さんらがいらっしゃいます。
清張さんの作品は、書かれてからかなり時間が経っていますが、いまだにテレビドラマなどの原作に使用され続けています。『現代の我々にはしかし、この 「這い上がらざるを得ない」 という感覚がわからなくなってきている』 (田山さん) にも関わらずです。こりはちょっと面白いことですね。金魚屋ではまだ小説批評といふものを掲載していませんが、来年くらいからちょいと考えていきたいと思います。あ、年末で皆様お忙しいと思いますので、ここ数日は連載コンテンツを挟んで、気楽に読めるTV批評を掲載していきますぅ。
■ 田山了一 TVドラマ批評 『 No.038 太陽の罠』 ■