松原和音 連載小説『学生だった』第09回をアップしましたぁ。今回から「卒業」編です。大学生活はちょっと長めのモラトリアムでもあります。在学中は文学などに熱中した学生も卒業と就職が近づくと、ハッと我に返って創作活動をやめてしまうのが普通です。文学や絵画などで食っていけると思いこむ方が浮世離れしている。残酷ですが、これはまあホントのことです。我に返る学生の方が正しい。
卒業はまた学生時代に付き合っていた子との別れの季節でもあります。大学デビューと言われることがありますが、大学生はそれまでの人生をリセットするチャンスです。それと同じように卒業は第二のリセットの契機なんですね。
『学生だった』はそんな学生の心と行動の機微を淡々と描いています。誰もが思いあたるような心の揺れです。ただ主人公のみくには静かだけど大きな変化です。ボーイフレンドは就職して普通の社会人になってゆく。しかしみくはそんな普通の道にどうしても違和感を覚えてしまう。人生の岐路ですね。
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