遠藤徹連載マンガ『キノコの森』『えくすぽえめんたる』&連載小説『虚構探偵―『三四郎』殺人事件―』をアップしましたぁ。金魚屋から『幸福のゾンビ ゾンビ短編集』を刊行しておられる遠藤さんの四コママンガと小説です。
『三四郎』は漱石先生が朝日新聞の専属作家(小説記者)になってから二本目の長編小説です。当時は新聞を含めたメディア創生期であり、読者を獲得するために小説家を専属作家として囲い込むことが行われていたのですね。漱石の友人で当時は小説も書いていた高濱虚子は国民新聞に在籍していました。社主は徳富蘇峰でした。
明治後期の新聞を読むと連載小説は1本ではなく、2、3本掲載されていることがあります。で、そのほとんどがいわゆる大衆小説です。まだ文語体の小説もあります。そういう視線で見ると漱石さんの小説はかなーり異質です。なにせ現代でも読むに耐えるのですから。
特に『三四郎』は漱石さんが新聞作家として張り切っていた時期の作品で、恋愛、文明批評と盛りだくさんです。そういった志向は遠藤さんにも共通していて、遠藤さんという作家は人間心理の奥底を衝く物語作家であると同時に文明批評作家です。後者は連載中の『虚構探偵』が典型的なのですが、前者が『幸福のゾンビ』ということになります。『幸福のゾンビ』、小説家という創作者の暖かさ、冷たさが手に取るようにわかる小説集です。
■遠藤徹 連載小説『虚構探偵―『三四郎』殺人事件―』(第18回)縦書版■
■遠藤徹 連載小説『虚構探偵―『三四郎』殺人事件―』(第18回)横書版■
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