岡野隆さんの『句誌時評』「角川短歌」2021年08月号、「短歌研究」2021年08月号をアップしましたぁ。俳句、自由詩と3つある日本の詩の世界で、短歌(歌壇)は今一番勢いがあります。俳句人口を抜くことはなさそうですが、優秀な若手が集まってきている気配です。短歌に対して概ね真摯でもあります。それだけ短歌が意外に自由度の高い表現ジャンルだということでもあります。
ただ作家の精神が、お歌の世界に閉じ込められているような気配も漂っていますね。活気がある分、若手歌人は右見て左見て下見て上見て自分の立ち位置を決めなきゃならない。それはどの創作ジャンルでも起きることですが、それなりに新しい動きが起こっているジャンルでは自己の立ち位置を決めるのが難しくなります。それが短歌ではなく歌壇への視線の集中になっている気配、なきにしもあらずです。
でも大局で見ると、すでにポスト・ニューウエーブの時期に入っていると思います。つまりニューウエーブ短歌はさっさと総括して次のフェーズを模索した方がよろし。あっというまに表現の限界まで達してしまった気配だからです。未踏の領域を求めるような前衛的表現はほぼ出つくした。繰り返しになる前に見切らなきゃ。じゃ、どこに進むのか。正念場ですなぁ。
■ 岡野隆『句誌時評』「大特集 1964」(「角川短歌」2021年08月号) ■
■ 岡野隆『句誌時評』特集 水原紫苑 責任編集「女性が作る短歌研究」(「短歌研究」2021年08月号) ■
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