遠藤徹さんの連載マンガ『キノコの森』(第18回)・『えくすぽえめんたる』(第04回)&連載小説『虚構探偵―『三四郎』殺人事件―』(第04回)をアップしましたぁ。タイプの違う四コママンガ2本に近未来小説、そしてCDまで出してしまうんですから、遠藤さん、恐るべしであります。
『虚構探偵』は1章ごとに小説を取り上げてゆく構成になっていますが、今回は小説テーマに関する自己言及的な章です。『われわれの世代からすれば、古典的メディアである書物や単なる二次元映像(あるいはそれに毛が生えた程度の3D映像)などは、実に薄っぺらいものとしか感じられない。自分の全感覚で体験できるVRと比較すると、なんとも物足りないことこの上ないのである』とありますが、そういう感受性の時代はもはや目前と言っていいでしょうね。
ただ『物語健康法(入門編)』でお書きになっているように物語は不滅です。VRなどのヴィジュアル化が進んでも物語コンテンツは必ず生み出される。そしてその物語コンテンツは言語で伝えられる(多くの場合書かれる)わけですから、小説家という職種も恐らく不滅だと思います。
要するに言語能力の使い方が変わるだけで原理は同じです。むしろ言語的想像・創造力とはなんぞやが試されるようになる。SF小説は本質的に未来テクノロジーを予測するものではなく現代社会(文明)が抱えている問題を抉り出す表現です。『虚構探偵』は未来志向のようでいて、本質的には小説原理を探っている小説でもあります。
■ 遠藤徹 新連載マンガ『えくすぽえめんたる』(第04回) ■
■ 遠藤徹 連載小説『虚構探偵―『三四郎』殺人事件―』(第04回)縦書版 ■
■ 遠藤徹 連載小説『虚構探偵―『三四郎』殺人事件―』(第04回)横書版 ■
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