寅間心閑連載小説『オトコは遅々として』(第02回)をアップしましたぁ。寅間さんの新連載小説です。じょじょに寅間さんの小説らしくなってきました。食物廃棄問題についてマキが尋ねると、バーのマスターが「私は分からないことがあるとその答え自体よりも、何故そのことで悩んでいるのかと考えてしまうんです。今のお客様のお話に置き換えると、具体的な解決策よりも、何故解決策を知りたいのか、と考えてしまうんですよね」と答える。こういうところに寅間小説の一つの流れがあるように思います。
現実世界で多くの人はなんらかのキチンとした解決やゴールを目指しながら日々流されてゆく。またハッキリ順位などが決まるスポーツと違って、解決やゴールらしいものは日常生活ではうやむやな形で訪れます。しかしなんらかのターニングポイントはある。なぜ曲がり角が来てしまうのか、変化が起こってしまうのかの方が謎めいているかもしれません。
今回の小説は奥さんの妊娠を軸に進むようなので、決定的と言えば決定的な変化が訪れる。最初から決定的ポイントがある場合はそれを外すのが小説の鉄則ですな。この物語、どこに蛇行してゆくのか楽しみです。
■ 寅間心閑新連載小説『オトコは遅々として』(第02回)縦書版 ■
■ 寅間心閑新連載小説『オトコは遅々として』(第02回)横書版 ■
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