ミハイ エミネスク詩『明星』ラモーナ・ツァラヌ訳とその解説、ラモーナ・ツァラヌ『エミネスクの『明星』について』をアップしましたぁ。日本ではあまり馴染みがありませんが、ミハイ・エミネスクはルーマニアやモルドバ共和国では国民詩人として知られています。今回は代表作『明星』のラモーナ・ツァラヌさん訳とその解説です。
エミネスクはロマン主義作家の位置付けですが、ロマン主義は日本では与謝野鉄幹・晶子『明星』の表紙に代表されるような〝星菫派〟――俗な言い方をすると少女趣味文学と捉えられがちです。しかしそれはヨーロッパ文化の文脈では誤りです。ヨーロッパロマン派を代表する作家はゲーテであり、彼は大作家で総合文学者でした。その代表作『ファウスト』は詩であり物語(小説)であり戯曲でもあった。ロマン派はそれまでの文学潮流を一つに束ねた総合文学派だったのです。
エミネスクの『明星』も総合文学的な良質のロマン派文学として捉えることはできます。ただこの詩がポピュラリティを持ったのは、やはり若い男女の恋愛が詩の主調低音になっているからでしょうね。そのあたり、計算していたのだとすればスゴい。いずれにせよドイツから東ヨーロッパにかけてのヨーロッパ文学は観念的で思索的な傾向が強まります。ラモーナさんにはまた良質のルーマニア文学を紹介していただきたいと思います。
■ ミハイ エミネスク詩『明星』 ラモーナ・ツァラヌ訳 縦書版 ■
■ ミハイ エミネスク詩『明星』 ラモーナ・ツァラヌ訳 横書版 ■
■ ラモーナ・ツァラヌ『エミネスクの『明星』について』 縦書版 ■
■ ラモーナ・ツァラヌ『エミネスクの『明星』について』 横書版 ■
■ 金魚屋の本 ■
■ 金魚屋 BOOK Café ■
■ 金魚屋 BOOK SHOP ■